軽貨物の開業にかかる初期費用は、車両、届出とナンバーの変更、安全管理者の講習、保険、税金、装備、最初の報酬が入るまでの運転資金に分けて考えます。自賠責保険や税金のように公式の表で額が決まるものと、車両や任意保険のように選び方で変わるものがあります。
以下は、個人事業主として業務委託(雇われずに、事業者として運送の仕事を請ける形)で始める場合の費用です。
雇用で働く場合は、軽貨物ドライバーが自分で運送事業の届出や黒ナンバー(事業用の黒地に黄色の文字のナンバー)への変更をする必要はないので、ここで説明する開業の初期費用は原則かかりません。厚生労働省(公式サイト)の労働条件の明示の案内によると、労働者に負担させる作業用品などの定めがあれば、それも労働契約を結ぶときに示される事項です。
当サイトの軽貨物ドライバーの求人一覧には、雇用(正社員・アルバイトなど)の求人だけを掲載しています。車両を会社が貸すかどうかは、募集内容の記載で確かめられます。
開業の初期費用にはどんな項目がある?
主な項目と、額の決まり方は次のとおりです。
| 項目 | 額の決まり方 |
|---|---|
| 車両 | 購入・リース・レンタルの別と車両で変わる |
| 届出・ナンバーの変更 | 届出は費用なし(滋賀運輸支局)。ナンバープレート代などは関係団体で確かめる |
| 講習・適性診断 | 実施する機関ごとに決まる |
| 自賠責保険 | 基準料率で、車種と保険期間などごとに決まる |
| 任意保険 | 補償の内容と保険会社で変わる |
| 軽自動車税・自動車重量税 | 法令などで決まる |
| 装備 | 扱う荷物と仕事の種類で変わる |
| 運転資金 | 契約の支払期日と生活費で変わる |
届出・ナンバー・講習にかかる費用は?
滋賀運輸支局(公式サイト)のよくある質問によると、同支局での届出の手続きに費用はかかりません(2026年10月時点)。軽自動車検査協会(公式サイト)の番号変更の案内では、ナンバーの変更にはナンバープレート代と関係団体での手続きの費用が要るとされ、額は近くの関係団体に問い合わせるよう案内されています(2026年10月時点)。手続きの順番は黒ナンバーの取り方と必要書類で説明しています。
安全管理者の講習と適性診断
2025年4月以降に事業を始める場合は、営業所ごとに貨物軽自動車安全管理者(事業の安全対策を担う人)を選び、選ぶ前に講習を受けます。国土交通省(公式サイト)の登録講習機関の一覧によると、講習は国が登録した機関で受け、選任のあとも2年ごとに定期講習を受けます。受講料は機関ごとに違うので、申し込む機関の案内で確かめます。
国土交通省(公式サイト)の安全対策のリーフレットでは、初任運転者(過去に一度も特別な指導・適性診断を受けていない人)に、国が認定した適性診断(運転のクセを確かめる診断)を受けさせることとされています。一人で始めて初任運転者にあたるなら自分が受けるので、機関ごとに決まる受診料も初期費用に入ります。
車両と保険の費用はどう決まる?
車両は、購入なら車両の代金(ローンなら頭金など)、リースやレンタルなら契約で決まる初期費用と月々の料金が中心です。違いは軽貨物の車を購入・リース・レンタルで比べるときの考え方にまとめています。
自賠責保険
自賠責保険は法令で加入が義務付けられた保険で、保険料は損害保険料率算出機構(公式サイト)の基準料率により、車種や保険期間などで決まります。2026年4月に届け出た料率は、2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約から使われます。
軽自動車の24か月の契約は、2026年10月31日までに始まる契約が17,540円、11月1日以降に始まる契約が18,660円です(離島以外の地域。沖縄県を除く)。基準料率表の軽自動車の欄は、普通や小型の貨物自動車と違って、自家用と営業用に分かれていません。ナンバーを変えたときに自賠責保険でどんな手続きが要るかは、加入している保険会社に確かめます。
任意保険
任意保険の保険料は、補償の内容と保険会社によって変わるので、ここでは額を書きません。黒ナンバーに変えるときに保険会社へ知らせることと補償の選び方は、軽貨物の事業用の自動車保険と貨物保険で説明しています。
軽自動車税と自動車重量税はいくら?
どちらも自家用と事業用(営業用)で額が違います。
軽自動車税
軽自動車税は市区町村の税で、毎年4月1日時点の所有者に1年分がかかります。さいたま市(公式サイト)の軽自動車税の案内によると、2026年4月1日から、それまでの「軽自動車税(種別割)」は「軽自動車税」に名前が変わりました。同じ案内の2026年度の税率は次のとおりです。
| 四輪の貨物用の軽自動車 | 営業用 | 自家用 |
|---|---|---|
| 2015年4月以降に最初の検査を受けた車 | 3,800円 | 5,000円 |
| 2015年3月以前に最初の検査を受け、13年を過ぎていない車 | 3,000円 | 4,000円 |
| 最初の検査から13年を過ぎた車(電気・ハイブリッドなどを除く) | 4,500円 | 6,000円 |
税率は、お住まいの市区町村の案内で確かめます。
自動車重量税
国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.7192によると、自動車重量税は車検などのときにかかる国の税で、車検証の交付などを受けるときまでに納めます(2026年4月1日現在の法令)。車検の期間が残っている車で始めるなら、納めるのは次の車検のときです。
国土交通省(公式サイト)の自動車重量税額の案内にある2026年5月1日からの継続検査の税額表では、二輪を除く軽自動車の2年分は、エコカー減税の対象外で最初の検査から13年未満の車の場合、事業用5,200円・自家用6,600円です。13年・18年を過ぎた車やエコカーでは額が変わり、新車の検査は別の表でエコカーに減免があります。
装備と最初の入金までの運転資金
台車、荷物を固定するベルト、養生の毛布、雨具、スマートフォンなどの装備は、扱う荷物と仕事の種類で要るものが変わります。先にそろえたいものは軽貨物ドライバーに必要な車両と装備にまとめています。
報酬の支払期日と生活費
業務委託の報酬がいつ入るかは、契約で決めた締め日と支払期日で決まります。公正取引委員会(公式サイト)のフリーランス法のリーフレットによると、従業員を使う発注事業者は、物品やサービスを受け取った日から数えて60日以内のできる限り早い日を支払期日に決め、書面などで示します。最初の入金までの燃料費などの経費と生活費は、手元の資金でまかないます。
会社を辞めて始める場合は、総務省(公式サイト)の個人住民税の案内のとおり住民税は前年の所得で計算されるので、開業した年は会社員だった前年の給与をもとにした額を納めます。国民健康保険料の決まり方と開業後に手元に残る額は軽貨物ドライバーの手取りの考え方、年金と健康保険の切り替えは軽貨物の開業届と開業後の手続きで説明しています。
よくある質問
開業の費用について、気になりやすい点に答えます。
黒ナンバーの届出に手数料はかかりますか?
滋賀運輸支局の案内では、同支局での手続きに費用はかかりません。ナンバーを変えるときのナンバープレート代と関係団体での手続きの費用は、地域の関係団体で確かめます。
自分の車で始めれば、車両の費用はかかりませんか?
車両の代金はかかりませんが、ナンバーの変更、安全管理者の講習と適性診断、事業用の任意保険、装備の費用はかかります。ローンの車のように車検証の使用者と所有者が違う場合は、軽自動車検査協会の案内のとおり、手続きの前に所有者の同意を得ます。
開業の初期費用は確定申告で経費になりますか?
仕事のための支出は経費になりますが、国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.2100のとおり、車両のように長く使う資産は、買った年に全額ではなく使える期間に分けて経費にします(減価償却)。取得価額が10万円未満のものや使える期間が1年未満のものは、使い始めた年に全額を経費にします。経費になるものとならないものは軽貨物ドライバーの確定申告と経費で整理しています。
この記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。制度・手続きの内容は変更されることがあります。実際の手続きの前に、必ず所管の官公庁など公式の案内で最新の情報を確認してください。