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手続き・備え

軽貨物ドライバーの確定申告は?経費になるもの・ならないもの

軽貨物ドライバーの確定申告を、業務委託で請ける個人事業主向けに、申告が必要になる条件と期限、白色申告と青色申告の違い、経費になるもの・ならないもの、帳簿の保存期間の順に、国税庁の案内をもとに説明します。雇用で働く場合の扱いにも触れます。

公開 2026.10.20 読了目安 7分

業務委託(雇われるのではなく、事業者として仕事を請ける契約)で働く軽貨物ドライバーは、1月から12月までの売上から経費を引いた所得を自分で計算し、納める税額が出るなら翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をします。経費にできるのは仕事のために使った分で、私用の分や所得税・住民税、罰金などは経費になりません。青色申告を選ぶと、所得から一定額を差し引ける控除などの特典があります。

運送会社などに雇用されて働く場合は、会社が年末調整(年末に会社が給与の所得税を精算する手続き)をするので、原則としてここで説明する手続きは要りません。国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.1900によると、給与を1か所から受けていて給与以外の所得の合計が20万円を超える人などは、確定申告が必要です。当サイトの軽貨物ドライバーの求人一覧には、雇用(正社員・アルバイトなど)の求人だけを掲載しています。

確定申告が必要になるのはどんなとき?

確定申告は、1年間の所得と税額を自分で計算して確定させる手続きです。国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.2020によると、所得の合計が基礎控除などの所得控除(所得から差し引ける控除)の合計を超え、納める税額が出る人は申告が必要です。

申告の期間は原則として翌年の2月16日から3月15日までで、申告と納付の期限は3月15日です。2026年分(令和8年分)であれば、2027年2月16日から3月15日までになります。開業届と青色申告の申請の期限は軽貨物の開業届と青色申告の基本で説明しています。

白色申告と青色申告の違いは?

青色申告の承認を受けていない個人事業主(会社に雇われず、自分で事業を営む人)は、白色申告で申告します。白色申告でも記帳は必要ですが、日々の合計金額をまとめて書くような簡易な方法でもよく、申告書には収支内訳書(収入と経費の内訳を書く書類)を添えます。青色申告は、事前に承認を受け、決められた帳簿をつけて申告する方法です。

青色申告の主な特典は、所得から一定額を差し引ける青色申告特別控除です。国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.2072によると、額は、正規の簿記(貸借対照表と損益計算書を作れる記帳。一般的には複式簿記)で記帳するかと、e-Tax(国税の電子申告)で出すかで変わり、55万円と65万円の控除は期限までに申告した場合に限られます。2027年分(令和9年分)からの額は国税庁(公式サイト)の75万円控除のチラシによります(2026年10月時点)。

記帳と申告の方法 2026年分(令和8年分) 2027年分(令和9年分)から
正規の簿記で記帳し、e-Taxで送信 65万円 65万円
上に加えて、優良な電子帳簿で保存するなど(届出が必要) 65万円 75万円
正規の簿記で記帳し、書面で提出 55万円 10万円
簡易な記帳 10万円 10万円

2026年分は、書面で出しても、その年の帳簿を優良な電子帳簿(訂正や削除の履歴が残るなどの要件を満たす電子の帳簿)で保存し、期限までに届出書を出していれば65万円です。簡易な記帳の人向けの国税庁のチラシによると、2027年分からは、前々年の事業の収入が1,000万円を超える人は10万円の控除も受けられなくなります。

経費になるものは?

国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.2210では、売上を得るために直接かかった費用と、その年の業務上の費用が必要経費とされています。経費にする年は、支払った年ではなく、支払う義務が確定した年が原則です。12月分の燃料代を翌年の1月に払うときは、給油した年の経費になります。

軽貨物の仕事であれば、一般に次のような支出が経費として考えられます。どれも仕事に使った分に限られ、個別に経費になるかどうかは税務署で確かめてください。

  • 車両の費用: 燃料費、高速道路の利用料、仕事中の駐車場代、修理代、車検の費用、自動車保険の保険料、車両のリース料
  • 通信の費用: 配送の連絡や業務用のアプリに使う携帯電話の料金
  • 備品: 台車、荷物を固定するベルト、業務用の端末など

車両を買ったときは、代金を買った年にまとめて経費にはせず、法定の耐用年数に分けて経費にします(減価償却)。国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.2100によると、取得価額が10万円未満のものや使える期間が1年未満のものは、使い始めた年に全額を経費にします。10万円以上20万円未満のものを3年で均等に経費にする方法や、青色申告で一定の要件を満たせば少額の資産をその年にまとめて経費にできる特例もあります。車の用意の仕方による費用の違いは軽貨物の車を購入・リース・レンタルで比べるときの考え方、経費の負担の分け方は業務委託契約で確認しておきたい項目で確かめられます。

私用と兼用の車やスマートフォンは?

車や携帯電話を休みの日の私用にも使うなら、その費用は家事関連費(生活と仕事の両方にかかわる費用)です。No.2210では、必要経費に入れられるのは、業務に直接必要だったことを取引の記録などで明らかに区分できる金額に限られます。月の走行距離のうち配送で走った距離の割合で分けるなど、説明のつく基準で仕事の分を出します(家事按分)。基準にした数字は、運転の記録などで後から示せるようにしておきます。

経費にならないものは?

No.2210では、次のものは必要経費にならないとされています。

  • 私用の分(家事上の費用)
  • 所得税や住民税
  • 罰金・科料・過料
  • 生計を一にする(生活費を共にする)家族に払う給与(青色申告で届け出た専従者給与を除く。白色申告には事業専従者控除がある)

一方で、個人事業税(都道府県の税)は全額が経費になり、固定資産税は仕事に使う部分だけが経費になります。

帳簿の保存期間と申告書の出し方

国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.2080と国税庁(公式サイト)の記帳・帳簿保存のチラシによると、帳簿と書類の保存期間は次のとおりです。

保存するもの 白色申告 青色申告
売上と経費を書いた帳簿 7年 7年
領収書など 5年 7年(前々年の事業の所得が300万円以下なら5年)
請求書・納品書など 5年 5年

消費税の課税事業者になると、消費税の計算のために保存する請求書や、交付したインボイスの写しは7年保存します。インボイスの登録は軽貨物ドライバーのインボイス登録は必要かで説明しています。

申告書は、国税庁(公式サイト)の確定申告書等作成コーナーで画面の案内に沿って金額を入れると作れます。作ったデータはe-Taxで送るか、印刷して税務署に郵送などで出します。

よくある質問

確定申告について、気になりやすい点に答えます。

赤字の年も確定申告は必要ですか?

No.2020のとおり、納める税額が出なければ申告の義務はありません。ただし国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.2070によると、青色申告なら赤字(純損失)を翌年以後3年間繰り越して、その後の所得から差し引けます。繰り越すには、申告書の第四表(損失申告用)を使って申告します。

確定申告の期限に遅れたらどうなりますか?

国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.2024では、気づいた時点でできるだけ早く申告するよう案内されています。期限後申告として扱われ、無申告加算税(期限後の申告に上乗せされる税)や延滞税(納付の遅れに応じてかかる税)がかかることがあります。青色申告の場合、55万円と65万円の控除は期限内の申告が条件なので、遅れると最大10万円の控除になります。

国民年金や国民健康保険の保険料は経費になりますか?

必要経費ではなく、社会保険料控除として所得から差し引きます。国税庁(公式サイト)のタックスアンサー No.1130によると、国民年金・国民健康保険などの保険料は、支払った額の全額が控除の対象です。労災保険の特別加入(個人事業主なども入れる労災保険)の保険料も対象です。

この記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。制度・手続きの内容は変更されることがあります。実際の手続きの前に、必ず所管の官公庁など公式の案内で最新の情報を確認してください。

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