雇用の募集・採用では、男女雇用機会均等法(均等法)によって性別を理由とする差別が禁止されていて、軽貨物ドライバーの求人もその対象です。体の負担は、扱う荷物の重さと数、車の乗り降りの回数などで決まり、仕事の種類によって大きく違います。
雇用で働く場合は、安全への配慮や産前・産後の休業などが法律で会社に求められているので、その運用を職場に確かめます。
業務委託(個人事業主として運送の仕事を請ける形)の場合は、契約の中身と、自営業者が使える国民年金などの制度を確かめます。
軽貨物ドライバーの求人に、性別による制限はある?
厚生労働省(公式サイト)の男女雇用機会均等法のパンフレットによると、会社は労働者の募集・採用で、性別にかかわりなく均等な機会を与えなければなりません。募集の対象を男女のどちらかに限ることや、「男性歓迎」「女性向きの職種」のように表示することは、禁止される例に挙がっています。
合理的な理由なく身長・体重・体力を募集・採用の条件にすることも、間接差別(性別以外の条件による実質的な性別の差別)として禁止されています。同じパンフレットは、荷物を運ぶ仕事で、その業務に必要な筋力より強い筋力を条件にすることを、合理的な理由がない例に挙げています。
これらは雇用の募集・採用についての決まりです。当サイトの軽貨物ドライバーの求人一覧には、雇用(正社員・アルバイトなど)の求人だけを掲載しています。
体の負担は何で決まる?
体の負担を左右するのは、扱う荷物の重さと数、車を乗り降りする回数、荷物を持って歩く距離で、仕事の種類によって負担の形が違います。負担の中身は軽貨物ドライバーのきつさと負担の中身、仕事の流れは宅配の仕事内容とルート配送の仕事内容で説明しています。
雇用で働く場合、労働基準法と女性労働基準規則は、母性保護(妊娠・出産の機能を守ること)のため、女性を一定の重さ以上の荷物を扱う業務に就かせることを会社に禁じています。均等法のパンフレットの表では、18歳以上の女性で、断続して扱う作業は30キログラム以上、継続して扱う作業は20キログラム以上です(2026年10月時点)。扱う荷物の重さと、台車などを使えるかを職場に確かめておくと、負担の見当がつきます。
業務委託で請ける場合は、扱う荷物の重さと数、1日の配達先の数を契約の前に確かめます。契約書で確かめる項目は軽貨物の業務委託契約で確認すべき項目にまとめています。
夜間や一人での配達の安全はどう守られる?
誰がどこまで安全に備えるかは、雇用か業務委託かで変わります。
雇用で働く場合
厚生労働省(公式サイト)の労働契約法のパンフレットによると、会社は労働契約に伴い、労働者が生命や身体などの安全を確保しながら働けるよう、必要な配慮をすることとされています(安全配慮義務)。その中身は一律ではなく、仕事の内容や働く場所に応じて決まります。
均等法の施行規則では、女性を深夜業(午後10時から午前5時までの仕事)に就かせる会社は、通勤と業務のときの安全の確保に努めることとされています。均等法のパンフレットは、その措置として、送迎バスの運行、公共交通機関の運行時間に配慮した勤務時間の設定、従業員駐車場の防犯灯の整備、防犯ベルの貸与と、一人で作業するのを避けるよう努めることを挙げています。
職場でのセクシュアルハラスメントを防ぐ措置も会社の義務で、同じパンフレットに載る指針では、顧客の自宅のような業務を行う場所も「職場」に含まれ、性的な言動をする人には顧客もなり得るとされています。
業務委託で請ける場合
労働契約法の安全配慮義務は、労働契約に伴う会社の義務です。業務委託では、夜間の配達の有無、一人で回る範囲、トラブルのときの連絡先を、契約の前に確かめます。
公正取引委員会(公式サイト)のフリーランス法のパンフレットによると、フリーランス法(個人で仕事を請ける人との取引の決まりを定めた法律)では、従業員を使う発注事業者(仕事を出す側の事業者)は、ハラスメントについての相談に応じる体制を整える義務があります。セクシュアルハラスメントは、発注事業者の従業員だけでなく、顧客など業務で関わる人からの言動も対象です。同じパンフレットによると、契約の名前が業務委託でも、働き方の実態から労働者と判断されれば、労働基準法などが適用されます。
休憩の時間はどう決まっている?
雇用で働く場合、会社は、労働時間が6時間を超えると45分以上、8時間を超えると1時間以上の休憩を与えなければなりません(労働基準法)。改善基準告示(運転者の労働時間などの国の基準)について厚生労働省(公式サイト)の解説では、トラック運転者は、1回おおむね10分以上・合計30分以上の運転の中断をとらずに4時間を超えて運転しないこととされています(2026年10月時点)。配送の途中でトイレや休憩に立ち寄れる場所は、働き始める前に職場に確かめておきます。
業務委託で一人で事業を行う場合は、国土交通省(公式サイト)の軽貨物の安全対策のリーフレットのとおり、連続運転時間4時間以内などの範囲で、自分で勤務時間を決めて守ります。配送の途中の休憩のとり方と、トイレなどに立ち寄れる場所は、契約の前に契約先に確かめておきます。
妊娠・出産・育児のときの制度は?
使える制度は、雇用か業務委託かで大きく違います。
雇用で働く場合
厚生労働省(公式サイト)の働く女性の心とからだの応援サイトによると、産前6週間(多胎妊娠は14週間)は本人が請求した場合に、産後8週間は原則として、会社は女性を働かせることができません。この産前・産後休業は、正社員・パート・派遣社員など働き方に関係なく、すべての女性労働者が対象です。
均等法では、妊娠中と出産後の健康診査などを受ける時間の確保と、医師などの指導を守るための勤務時間の変更や勤務の軽減が会社の義務です。妊娠中の女性が請求すれば軽い業務に替えること、妊娠中と産後1年以内の女性が請求すれば時間外労働や深夜業をさせないことも、労働基準法で会社に求められています。妊娠・出産などを理由とする解雇などの不利益な扱いも禁止されています。
同じサイトのQ&Aによると、子を育てるために育児休業をとった場合、雇用保険の被保険者で要件を満たせば、育児休業給付金が支給されます。
業務委託で請ける場合
産前・産後休業は雇われて働く人(労働者)が対象の決まりで、業務委託の契約には当てはまらないので、出産の前後に休む期間は契約先と相談して決めます。同じQ&Aでは、出産手当金は会社の健康保険などの被保険者本人、育児休業給付金は雇用保険の被保険者が対象とされていて、これらの保険に入っていない個人事業主は対象になりません。
日本年金機構(公式サイト)の産前産後期間の免除制度によると、国民年金の第1号被保険者(自営業者など)は、届け出ると、出産予定日の属する月の前月から4か月間の保険料が免除されます。2026年10月からは、1歳になるまでの子を育てる第1号被保険者の保険料を免除する育児免除制度も始まりました。国民健康保険にも、名古屋市(公式サイト)の案内のように出産前後の4か月相当分の保険料を減額する仕組みがあり、届出先はお住まいの市区町村です。
フリーランス法では、従業員を使う発注事業者は、6か月以上の業務委託でフリーランスから申出があれば、妊娠・出産・育児と業務を両立できるよう必要な配慮をしなければなりません(6か月未満は配慮に努める)。
よくある質問
女性が軽貨物ドライバーとして働くときに、気になりやすい点に答えます。
求人に「女性歓迎」と書かれているのは、法律で認められていますか?
雇用の募集で、男女のどちらかを優遇するような表示や扱いは、原則として禁止されています。ただし、その会社の職種などの区分で女性が4割を下回っていて、男女の格差をなくす目的で女性を有利に扱う場合(ポジティブ・アクション)は、法違反にならないとされています。気になる表示があれば、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に問い合わせられます。
生理休暇は、軽貨物ドライバーでも取れますか?
雇用で働く場合は、仕事の種類を問わず取れます。均等法のパンフレットでは、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、会社はその人を生理日に働かせてはならず、日数を就業規則などで限ることもできないとされています。半日や時間単位で請求することもできます。
業務委託で請ける場合、生理休暇は労働者が対象の労働基準法の決まりで当てはまらないので、体調で休む日の扱いを契約で確かめておきます。
業務委託でも、出産や育児のときに国民年金の保険料は免除されますか?
国民年金の第1号被保険者なら、産前産後の免除と、2026年10月に始まった育児免除があり、免除された期間も保険料を納付したものとして老齢基礎年金の額に反映されます。届出先は住民登録をしている市区町村の国民年金担当窓口です(育児免除は届出が要らない場合もあります)。
この記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。制度・手続きの内容は変更されることがあります。実際の手続きの前に、必ず所管の官公庁など公式の案内で最新の情報を確認してください。