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手続き・備え

貨物軽自動車安全管理者の講習とは?対象・内容・受講の流れ

貨物軽自動車安全管理者の講習について、選任が必要な事業者、選任前の講習と2年ごとの定期講習の内容と時間、受講から運輸支局への届出までの流れ、2025年3月末までに届け出た事業者の期限を、国土交通省の資料をもとに説明します。

公開 2026.10.20 読了目安 7分

貨物軽自動車安全管理者は、軽貨物の運送事業者が2025年4月から営業所ごとに選ぶことになった、事業の安全対策を担う人です。選ぶ前に国の登録を受けた機関で5時間以上の講習を受け、選んだ後も2年ごとに2時間以上の定期講習を受けます。業務委託(個人事業主として運送の仕事を請ける形)で一人で事業を行う場合も、基本的に自分を選んで講習を受けます。

雇用で働く場合は、勤め先が軽貨物の運送事業者であれば、安全管理者を選んで講習を受けさせるのは会社の義務で、軽貨物ドライバーが自分で手配する必要はありません。

貨物軽自動車安全管理者とは?誰が選ぶ必要がある?

国土交通省(公式サイト)の軽貨物の安全対策のページによると、2016年から2023年にかけて、保有台数1万台あたりの事業用軽自動車の死亡・重傷事故は約4割増えました。これを受けて2025年4月から事業者の安全対策が強化され、安全管理者の選任もその一つになりました。

e-Gov法令検索(公式サイト)の貨物自動車運送事業法の第36条の2では、四輪以上の軽自動車で荷物を運ぶ事業者は、営業所ごとに安全管理者を1人選ぶことになっています。三輪の軽自動車や二輪の自動車で運ぶ事業(バイク便)は、選任の対象外です。

同じページに掲載されている国土交通省のFAQ(よくある質問)では、一人で事業を行う場合は基本的に自分を選び、配偶者など事業を手伝う家族から選ぶこともできるとされています。安全管理者は、点呼(乗務の前後に体調や酒気帯びの有無を確かめる手続き)とその記録、乗務の割り振り、過積載を防ぐための指導、業務と事故の記録などを管理します。

安全管理者に選べる人

同じ法律では、選べるのは次のいずれかにあたる人です。

  • 安全管理者講習を、選ぶ日の前2年以内に修了した人
  • 安全管理者講習を修了し、定期講習を選ぶ日の前2年以内に修了した人
  • トラックの運送事業(一般貨物自動車運送事業など)も営む事業者で、運行管理者(トラックの運行の安全を管理する人)に選ばれている人

講習の種類と内容は?

講習は、選ぶ前に受ける「貨物軽自動車安全管理者講習」と、選んだ後に受ける「定期講習」の2つです。FAQと、講習の内容を定めた国土交通省の告示によると、時間と主な内容は次のとおりです(2026年10月時点)。

講習 受ける時期 時間 主な内容
安全管理者講習 選ぶ前(修了から2年以内に選ぶ) 5時間以上 運送事業・車両・道路交通・労働基準などの法令、制度の趣旨と運行管理の実務、飲酒運転の防止・労務管理・健康管理の基礎
定期講習 選んだ日から2年ごと 2時間以上 法令、最新の情報に基づく運行管理の実務、事故の事例に基づく事故防止の対策

どちらの講習にも、効果を確かめる修了試問と、基準に届かなかった人への補習が含まれます。表の時間は、最低の時間として定められています。

選ぶ前の講習は、修了から2年を過ぎるとその修了では選べなくなります。定期講習も選んだ日から2年ごとなので、修了証明書の日付と選んだ日を控えておくと、次に受ける時期を確かめやすくなります。

受講から届出までの流れは?

FAQでは、2025年4月以降に運輸支局へ経営届出(事業を始めるときの届出)をする事業者は、届出の後、事業を始める前までに速やかに安全管理者を選ぶこととされています。届出から黒ナンバー(事業用の黒地に黄色の文字のナンバー)への変更までの順番は黒ナンバーの取り方と必要書類で説明しています。

1. 講習機関を選んで申し込む

国土交通省(公式サイト)の登録講習機関の一覧には、2026年10月時点で17の機関が載り、講習の方式はeラーニング、対面、その両方に分かれています。申し込みの方法と受講料は、FAQのとおり各機関に問い合わせます。開業にかかる費用の全体は軽貨物の開業にかかる初期費用の内訳にまとめています。

2. 修了証明書を受け取る

講習を修了すると修了証明書が交付されます。選任の届出に写しを付けるので、手元に保存しておきます。

3. 選任して運輸支局に届け出る

選んだら、営業所のある都道府県の運輸支局などに、事業者の名前と住所、安全管理者の名前と生年月日、営業所の名前と所在地、兼職の有無を届け出ます。九州運輸局(公式サイト)の案内によると、この届出は2025年9月から、国土交通省のe-Govのオンライン申請でも出せます。様式と出し方は、管轄の運輸支局の案内で確かめてください。

4. 2年ごとに定期講習を受ける

選んだ後は、選んだ日から2年ごとに定期講習を受けます。安全管理者を解任したときも、運輸支局に届け出ます。

2025年3月末までに届け出た事業者の期限は?

国土交通省(公式サイト)のリーフレットによると、2025年3月末までに経営届出をした事業者は、2027年3月までに講習を受けて安全管理者を選びます。2025年4月以降に届け出た事業者に、この猶予はありません。FAQでは、2025年3月に事業をやめて4月以降に届け出直した場合も、4月以降の届出として扱うとされています。

FAQでは、点呼は安全管理者が行うものとされ、2027年3月31日までは事業者の中の人が行っても差し支えないとされています。一人で事業を行う場合の点呼と業務の記録の流れは、軽貨物ドライバーの1日の流れで紹介しています。

選任や届出をしなかった場合

FAQでは、安全管理者の選任の決まりに違反した場合と、選任・解任の届出をしない・うその届出をした場合は100万円以下の罰金、死傷者が出た事故などの報告をしない・うその報告をした場合は50万円以下の過料と示されています(貨物自動車運送事業法第75条・第81条)。制度は見直されることがあるため、最新は国土交通省と運輸支局の案内で確かめてください。

雇用で働く場合はどうなる?

雇用で働く場合、勤め先が軽貨物の運送事業者なら、同じ法律で安全管理者を選び、定期講習を受けさせる義務を負うのは雇う側の事業者です。軽貨物ドライバーが講習を受けるのは会社が安全管理者に選ぼうとする場合で、受講の手配は会社の指示に従います。点呼や業務の記録は、会社の安全管理者の指示に沿って協力します。

当サイトの軽貨物ドライバーの求人一覧には、雇用(正社員・アルバイトなど)の求人だけを掲載しています。

よくある質問

貨物軽自動車安全管理者の講習について、気になりやすい点に答えます。

貨物軽自動車安全管理者の講習はオンラインで受けられますか?

国土交通省の一覧では、講習の方式がeラーニングの機関もあります(2026年10月時点)。対面だけの機関もあるので、申し込む前に方式と日程を各機関の案内で確かめます。

運行管理者の資格があれば、講習を受けなくても選べますか?

FAQによると、運行管理者の資格者証を持っているだけでは選べません。講習を受けずに選べるのは、トラックの運送事業も営む事業者で運行管理者に選ばれている人に限られます。その人が運行管理者でなくなった場合は、選んだ日から2年ごとに定期講習を受けます。

安全管理者の講習を受けた運転者は、初任運転者の指導が要りませんか?

FAQでは、初めて乗務する運転者本人が、乗務を始める前3年以内に安全管理者講習を受けていれば、その運転者は特別な指導を受けたものとみなせるとされています。リーフレットでは、初任運転者などに国が認定した適性診断(運転の特性を調べる診断)を受けさせることも求められていて、適性診断は講習とは別の義務です。

この記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。制度・手続きの内容は変更されることがあります。実際の手続きの前に、必ず所管の官公庁など公式の案内で最新の情報を確認してください。

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