軽貨物の車両に積める重さの上限は、車検証に書かれた最大積載量で、軽自動車では最大でも350kgです。乗用の軽自動車を黒ナンバー(事業用の黒地に黄色の文字のナンバー)で使う場合は、「(乗車定員−乗車人数)×55kg」までになります。最大積載量を超えて走ると道路交通法の過積載にあたり、運転者のほか、指示した会社や荷主が責任を問われることもあります。
軽自動車の最大積載量はどう決まる?
e-Gov法令検索(公式サイト)の道路運送車両の保安基準の第53条では、最大積載量は、保安基準に適合して安全に走れるものとして、告示の基準で算出される範囲の最大の重さとされています。条文に350kgという数値は書かれていません。
軽自動車検査協会(公式サイト)の検査事務規程(2026年4月22日改正の版)では、軽自動車の検査で最大積載量を算出するとき、その最大値を350kgとしています。車ごとの値は、国土交通省(公式サイト)の電子車検証の案内のとおり、車検証の券面の「最大積載量」の欄で確かめます。
軽自動車検査協会の説明では、最大積載量や長さなどを変える改造をして基準に合わなくなるおそれがあるときは、構造等変更検査(変更後の車を確かめる検査)を受けます。
乗用の軽自動車で積める重さは?
関東運輸局(公式サイト)の東京運輸支局のハンドブックによると、2022年10月27日から、乗車定員3名以上の乗用の軽自動車も、構造を変えずに事業に使えるようになりました。積める重さは「(乗車定員−乗車人数)×55kg」までで、4人乗りなら次のとおりです。
| 乗る人 | 積める重さ |
|---|---|
| 運転者だけ | 165kg |
| 運転者と1人 | 110kg |
| 運転者と2人 | 55kg |
| 4人 | 事業に使えない |
近畿運輸局 滋賀運輸支局(公式サイト)が掲載する国の通知では、荷物の位置が前後や片側に極端に偏る積み方をしないことも求められています。乗用の軽自動車を使う条件は軽貨物ドライバーに必要な車両と装備で説明しています。
過積載になるとどうなる?
e-Gov法令検索(公式サイト)の道路交通法の第57条と施行令の第22条では、車検証の最大積載量を超えて積んで運転してはならないとされています。警察官は、超えていると認められる車を止めて車検証の提示を求め、重さを量れます(第58条の2)。過積載の車の運転者には、過積載でなくするための応急の措置(荷を減らすなど)を命じられます(第58条の3)。
罰則は6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です(第118条)。反則金で済む場合の額と違反点数は、超えた割合で3段階に分かれ、警視庁(公式サイト)の反則金の一覧と違反点数の一覧では、軽自動車を含む普通車は次のとおりです(2026年4月1日更新)。
| 最大積載量を超えた割合 | 反則金 | 違反点数 |
|---|---|---|
| 5割未満 | 25,000円 | 1点 |
| 5割以上10割未満 | 30,000円 | 2点 |
| 10割以上 | 35,000円 | 3点 |
会社や荷主にも責任はある?
道路交通法第75条では、自動車の使用者(会社など)は、業務で運転者に過積載で運転するよう命じたり、それを容認したりしてはなりません。第58条の5では、使用者以外の人(荷主など)が運転者に過積載を要求することや、過積載になると知りながら荷物を引き渡すことを禁じ、繰り返すおそれがあれば警察署長が再発防止を命じることができます。
e-Gov法令検索(公式サイト)の貨物自動車運送事業法では、軽貨物の事業者も、最大積載量を超える運送を引き受けたり、そうした運行の計画を作って運転者に指示したりしてはならないとされています(第15条・第36条)。国土交通大臣が事業者に命令や処分をする場合で、違反が主に荷主の指示などによるもので、事業者への処分だけでは再発を防ぎにくいときは、荷主にも再発防止の措置を勧告でき、勧告したときは公表します(第65条)。国土交通省(公式サイト)のトラック事業関連のページにある荷主勧告制度の概要では、2017年の通達で軽貨物の事業者も対象に加わりました。
雇用で働く場合
雇用で働く場合、過積載にならない運行を計画し、運転者を指導するのは会社の役目です。ただし、運転者自身も道路交通法第57条の対象で、会社の指示でも過積載の車を運転すれば罰則を受けることがあります。積むよう指示された荷物が重すぎると思ったら、運転する前に会社の運行を管理する担当者に伝えます。
当サイトの軽貨物ドライバーの求人一覧には、雇用(正社員・アルバイトなど)の求人だけを掲載しています。
業務委託で請ける場合
業務委託(個人事業主として運送の仕事を請ける形)で請ける場合は、自分が事業者として、最大積載量を超える仕事を引き受けない立場です。元請(荷主から直接仕事を受けた運送会社)や荷主から重量を超える荷物を求められて困ったときは、国土交通省(公式サイト)の荷主等の違反原因行為の通報窓口で国に情報を寄せられます。この窓口の「荷主」には、元請の事業者も含まれます。
積む前に重さをどう確かめる?
道路交通法第58条の4では、過積載で命令を受けた車の使用者に、公安委員会が「あらかじめ車両の積載物の重量を確認すること」を運転者に指導するよう指示できるとされています。積む前に、車検証の最大積載量(乗用の軽自動車なら乗る人数から計算した重さ)と、荷物の重さの合計を比べます。重さが分からない荷物は、荷主に確かめてから積みます。
国土交通省(公式サイト)の軽貨物の安全対策のリーフレットでは、荷物の重さが前後や左右に偏らないように積み、荷崩れして落ちないようロープやシートを掛けることも求められています。車を貸し切って運ぶ仕事の流れと積み込みの注意は軽貨物のチャーター便の仕事内容、荷物の破損の責任は軽貨物の配達中の事故・荷物の破損の責任で説明しています。
よくある質問
軽貨物の積載量と過積載について、気になりやすい点に答えます。
貨物用の軽自動車は、人を乗せると積める重さが減りますか?
道路交通法施行令の第22条では、乗る人数の上限(乗車定員)と、積む荷物の重さの上限(最大積載量)を別々に定めています。貨物用の軽自動車は、乗車定員の範囲で人が乗っても、車検証の最大積載量までは積めます。人数で積める重さが変わるのは、乗用の軽自動車を事業に使う場合です。
最大積載量を少しだけ超えても過積載になりますか?
なります。道路交通法第57条は超えて運転することを禁じていて、警視庁の反則金の一覧でも、最も軽い区分は「5割未満」の超過です。
荷物の大きさにも制限はありますか?
あります。道路交通法施行令の第22条では、荷物の長さと幅は車の長さと幅の1.2倍まで、車体の前後と左右からはみ出せるのは、それぞれ車の長さと幅の10分の1までとされています。高さにも上限があるので、背の高い荷物は積む前に確かめます。
この記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。制度・手続きの内容は変更されることがあります。実際の手続きの前に、必ず所管の官公庁など公式の案内で最新の情報を確認してください。