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手続き・備え

軽貨物の適性診断とは?2025年から義務の対象・種類・受け方

軽貨物の適性診断とは何かを、2025年4月から事業者の義務になった初任診断・適齢診断・特定診断の対象と時期、診断の中身、費用、受け方に分けて説明します。一人で事業を行う場合と雇用で働く場合の違いも、国土交通省の資料で整理しました。

公開 2026.10.20 読了目安 6分

適性診断は、運転の長所や短所といった「運転のクセ」を測り、事故を防ぐための助言を受ける診断です。2025年4月からは、軽貨物の事業者が、初めて乗務する運転者、65歳以上の運転者、死傷者が出た事故を起こした運転者に、国土交通大臣が認定した適性診断を受けさせることが義務になりました。

雇用で働く場合は、会社が受けさせる側です。

業務委託(個人事業主として運送の仕事を請ける形)で一人で事業を行う場合は、自分が事業者として自分に受けさせます。

適性診断とはどんな診断?

国土交通省(公式サイト)の軽貨物の安全対策のページにあるFAQでは、適性診断は運転者の運転の傾向を確かめる診断で、様々な測定で見つけた運転のクセに応じたアドバイスを、事故の防止に生かすものとされています。

同じページの指導監督マニュアル(軽貨物の事業者向けの手引き)によると、測るのは、視覚の機能、判断と動作のタイミング、動作の正確さ、注意の配り方などで、模擬運転や性格の診断も行います。結果は診断票にまとめられ、測定結果に基づく安全運転のアドバイスも書かれます。

国土交通省(公式サイト)の軽貨物の安全対策のリーフレットでは、この受診は2025年4月から加わった新しい安全対策の1つです。一人で事業を行う場合も、自ら安全対策を行う必要があるとされています。

誰がいつ、どの診断を受ける?

安全対策のページのFAQによると、受けさせる診断は4種類で、対象と時期は次のとおりです(2025年4月以降に届出をした事業者の場合。2026年10月時点)。

診断 対象の運転者 受ける時期
初任診断 その事業者で初めて事業用の車に乗務する人 初めて乗務する前
適齢診断 65歳以上の人 65歳になってから1年以内、その後は3年以内ごと
特定診断Ⅰ 死亡・重傷事故を起こし、その前1年間に事故がない人など 事故の後、再び乗務する前
特定診断Ⅱ 死亡・重傷事故を起こし、その前1年間にも事故を起こした人 事故の後、再び乗務する前

初任診断は、その事業者で初めて乗務する前の3年間に受けていれば不要です。やむを得ない事情があるときは、初任診断と特定診断は乗務を始めてから1か月以内でもよいとされています。特定診断Ⅰには、軽傷事故を起こし、その前3年間にも事故を起こした人も含まれます。このほか、任意で受ける一般診断もあります。

助言の中身も診断ごとに違います。FAQでは、初任診断はプロの運転者としての自覚と事故を防ぐ運転の留意点、適齢診断は加齢による体の機能の変化が運転に与える影響、特定診断は事故に至った状況や運転の特性をもとにした再発防止の運転について、助言と指導を行うものとされています。

2025年3月までに届出をした事業者の場合

FAQの図では、2025年3月31日までに届出をした事業者に猶予があり、同じ日までに対象になった運転者のうち、初任運転者は過去に一度も適性診断を受けていなければ2028年3月31日までに受けます。同じ日までに65歳以上になった人と対象の事故を起こした人は、受けなくてよいとされています。2025年4月以降に対象になった運転者も、時期によって2028年3月31日までの期限があります。2025年4月以降に届出をした事業者には、猶予はありません。

費用と受け方の流れは?

適性診断は、国土交通大臣の認定を受けた機関で受けます。国土交通省(公式サイト)の指導・監督のページに、地方ごとの認定機関の一覧があります。指導監督マニュアルでは、独立行政法人の自動車事故対策機構をはじめ、複数の機関で実施されているとされています。

費用は、FAQでは各機関に問い合わせることとされていて、機関ごとに決まります。自動車事故対策機構(公式サイト)の初任診断の案内などによると、同機構の手数料は、初任診断と適齢診断が4,800円、特定診断Ⅰが9,300円、特定診断Ⅱが29,900円です(税込み・2026年10月時点)。

受ける流れは次のとおりです。

  1. 認定機関の一覧から受ける機関を選び、受ける診断を予約する
  2. 当日、測定を受け、結果をもとに助言や指導を受ける
  3. 結果を、運転者ごとの台帳(貨物軽自動車運転者等台帳)に添付して保存する
  4. 結果を、運転の仕方の見直しや運転者への指導に生かす

一人で事業を行う場合と雇用で働く場合

誰が受けさせる側になるかで、動き方が変わります。

業務委託で一人で事業を行う場合

自分が事業者で、運転者でもあります。2025年4月以降に届出をした場合は、初めて事業用の車に乗務する前に、自分で初任診断を受けます。FAQでは、初任運転者への特別な指導(合計5時間以上)は、乗務前3年以内に貨物軽自動車安全管理者(事業の安全対策を担う人)の講習を受けていれば受けたものとみなせますが、これは指導についての扱いで、適性診断は別に受けます。講習と届出の流れは黒ナンバーの取り方と必要書類にまとめています。

雇用で働く場合

適性診断を受けさせる義務は会社にあり、受診の予約や日程は会社の指示に沿って進めます。受診の費用や時間の扱いは国土交通省の資料には書かれていないため、働き始める前に会社に確かめます。軽自動車以外のトラックで運ぶ会社(一般貨物自動車運送事業者)でも、同じ3種類の運転者に受けさせる義務があり、指導・監督のページに対象と時期が載っています。当サイトの軽貨物ドライバーの求人一覧には、雇用(正社員・アルバイトなど)の求人だけを掲載しています。

よくある質問

適性診断に落ちることはありますか?

合格・不合格を決める試験ではありません。FAQでは、改善すべき点の指摘が多くても、運転の業務をしてはいけないという意味ではないとされています。結果から自分の傾向と注意すべき点を知り、事故の防止に生かします。

会社を移ったら、また初任診断を受けますか?

FAQでは、移った先の事業者で初めて乗務する前の3年間に初任診断を受けていれば、受け直す必要はないとされています。3年より前に受けた場合や、受けたことがない場合は、初めて乗務する前に受けます。

65歳を過ぎてから始める場合はどうなりますか?

FAQでは、65歳以上の人を新たに運転者として乗務させる場合、乗務の日から1年以内に適齢診断を受けるとされ、結果が分かってから1か月以内に、結果を踏まえた特別な指導も行います。FAQの初任診断の決まりに年齢による例外は書かれていませんが、自動車事故対策機構の予約の案内では、初めて乗務する人のうち65歳以上の人は適齢診断を受けるよう案内されています。乗務の前にどの診断を受けるかは、予約の前に受ける機関に確かめてください。年齢と仕事の始め方は40代・50代から軽貨物ドライバーになれるかで整理しています。

この記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。制度・手続きの内容は変更されることがあります。実際の手続きの前に、必ず所管の官公庁など公式の案内で最新の情報を確認してください。

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